五島列島福江島にある石田城。その中に幕末の時期に五島家第30代盛公によって造られた五島氏庭園がそのままの形で保存公開されている。五島氏庭園をダイジェストで紹介しよう。
樹齢800年の楠の木もある五島氏庭園
石田城五島氏庭園は、五島家第30代盛成(もりなり)によって文久元年(1861年)に落成された。この庭園は、京都の僧・全正により金閣寺の丸池を模して作られた。庭園にある隠殿屋敷は補修はされてきたが当時の建物のまま保存されている。
歴代五島家藩主の名を記した銘板。五島焼 雅子窯でできている。この銘板の第三十代藩主からとして見ると案外最近のことのように思えてくる。
五島氏庭園の入り口。有料で入場できる。タイミングがよければ現在の五島氏子孫が直々にお出迎えしてくれるとか。
玄関先にある屏風は、庭園を設計した京都の僧全正辞世の句。この屏風や玄関先から屋敷内を案内してもらえる。
障子の造りにもすべて意味があるそう。奥の障子の桟の数は右から「七・五・三」と縁起の良い数字になっているとのこと。
梅の間から庭園を眺める。藍染の壁紙に金箔の梅の柄はいま見ても斬新に映る。
梅の間から亀の間を通して眺める。
ここはふすまの裏から入れる隠し部屋。隠殿屋敷というように敵がやってきたときの防備も万全の屋敷。その他にも幕末の時期ならではの工夫がいたるところに凝らされている。
庭園側から見る屋敷の縁側。
庭園は回遊式庭園になっている。池は心字が池と呼ばれている。心の文字を象っている。
庭園には樹齢800年を超える楠の木が植わっている。ひと際目立つ存在感がある。
楠の木のたもとに佇んていると穏やかな時間が過ごせる。ここでしばらく庭を眺めながら一服するのもいい。
夏の季節には池には蓮の花が咲く。
庭園を囲む石垣は野面積みで積まれている。野面積みは石垣の中でも古い積み方。