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五島列島福江島にある遣唐使守護人を祀る 岩嶽神社

福江島

五島列島福江島には遣唐使にまつわる跡地は多い。その中のひとつに遣唐使の守護の任にあたっていたひとを祀っている神社がある。遣唐使船に水を汲んだといわれる井戸の近くにある岩嶽神社がそれだ。

遣唐使船の守護の任にあたったくさり鎌名人を祀っている岩嶽神社

福江島三井楽町柏には、遣唐使船に水を汲んだといわれる井戸がある。この場所については、「遣唐使船が水を汲んだ ふぜん川」の記事に書いてある。このふぜん川の近くにあるのが岩嶽神社。この神社も遣唐使船に関わっている神社だ。

岩嶽神社の鳥居。高さが低い鳥居で腰をかがめないと鳥居をくぐれないほど。

鳥居からの参道はソテツなど植物で覆い茂っている。訪れる人も多くはないだろうから、植物も伸び放題になっているのだろう。

小さな小屋といった風情の社殿。装飾などされているものはなにもない。

扉を開けると賽銭箱があるのだが、その上には鉄製のくさり鎌が置かれていた。岩嶽神社は、遣唐使船の守護の任にあたっていたくさり窯の名人が航海の順風を待っている間に病死してしまい、碑石を建てて祀った神社。そのくさり釜の名人を偲んで今でも置かれているのであろう。

調べてみると、鎖鎌術という武術があり、鎌に鉄の分銅のついたくさりをつけてそれを振り回して敵と戦ったらしい。つまりくさり鎌の名人は、護衛の目的で遣唐使船に乗っていたということになる。今でいえば要人警護のSPといった役職になるだろうか。当時にしてみれば治安も整っていない時代に他国に行くのには必要不可欠な役人でもあったと思う。