世界遺産に認定された五島列島久賀島の旧五輪教会。ここに新しく教会守になった青年がいる。教会守になった経緯や五島列島への思いなどを伺ってきた。
五島列島への思いが教会守への扉を開かせた
新しく旧五輪教会の教会守(きょうかいもり)になったのは永松翼さんだ。教会守とは、教会の見守りや簡単な教会のガイドを行う管理人的役割を担う仕事のこと。どのようなきっかけで永松さんは旧五輪教会の教会守になったのだろうか。
永松さんが五島列島に直接かかわることになったのは、彼が大学生時代に卒論執筆の際に観光業と宗教施設の関係についてテーマに選んだ時に及ぶという。論文を書くのにあたり五島へ訪れ教会群を見て回るうちに五島への興味はさらに膨らんでいった。
大学卒業後、彼は大手航空会社に就職する。社会人になっても五島への興味は冷めることがなく、2018年に五島市が公募した五島市アンバサダー制度に応募して見事「GOTOIST」として認定される。
そんな中、旧五輪教会の教会守の公募があることを知った彼は、ここにも応募し採用された。首都圏に住んでいた彼は、会社を辞めて五島へ教会守として移住してきた。安定していた職を辞め、五島へ移住するというのは言うのは簡単だが実行するには大きな決断が要るはずだ。彼の五島や教会に対する思いは移住を決断させるほど大きいものだったということなのだろう。
いま永松さんは、教会守として旧五輪教会を訪れた方々を案内している。毎日不定期に訪れるビジターすべてに対応している。多い日には100人を超える訪問者がいるという。
ある訪問者の方から旅行後に永松さんあてに教会案内に対してのお礼の手紙が届いたそうだ。教会守になってなによりもその手紙をもらったのが嬉しかったと彼ははにかむ。
今後も旧五輪教会を訪問者に案内するとともに五島の良さも広くアピールしていきたいと抱負も語っていた。これからの永松さんの活動に期待したい。