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世界遺産 旧五輪教会 長崎五島列島

久賀島

長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産の世界遺産のひとつとして登録されたのが久賀島にある旧五輪教会。明治時代に建てられた日本家屋を思わせる建物の中に入ると教会になっているという潜伏キリシタンが生きていた当時の時代背景を色濃く残している教会だ。

解体される寸前で生き延びた旧五輪教会

旧五輪教会は、浜脇教会として1881年に同じ久賀島の浜脇に建設された建物。それを1931年に現在地に移築され、五輪地区の教会として使われてきた。その後老朽化のために1985年に解体して新しい教会を建てる計画になった。すでに解体日程も決まっていたところ、貴重な建物を保存しようという声が上がり解体される寸前で保存された経緯がある。

静かな久賀島の海岸。久賀島には田ノ浦港に船で渡れるが、港から旧五輪教会までは車で約30分ほど山道を進み、車が入れない山道を徒歩で約15分ほど歩いてたどり着ける場所にある。船をチャーターすれば教会前の入り江に船で来ることはできるが、どちららせよ個人で訪ねるには難しい。旧五輪教会には見学ツアーなどに参加して訪問するのがおすすめ。

山道を歩き、ようやく見えてきた教会。右手側に現在使用されている五輪教会、左側に旧五輪教会ある。
この五輪集落のほとんどのひとが五輪性を名乗り、本家が「ごりん」それ以外は「いつわ」と読む。歌手の五輪真弓さんの父親がこの地の出身で祖父はこの教会のオルガン奏者だったということもよく知られている。

こちらは現在の五輪教会。ツアーでは解説もないままスルーされていた。見学の時間制限があったためだろうが、こちらの教会も見ておきたい。

世界遺産として登録されている旧五輪教会。1999年に国の重要文化財に指定されている。木造平屋建の和風建築。窓枠がポインテッドアーチ型の部分は教会を思わせるが、それ以外は和風の家屋にみえる建物。

中に入ると中央はゴシック風祭壇、リブ・ヴォールト天井の立派な教会があらわれる。外観からはまったく想像できない装飾に驚く。

入り口扉の上部に設けられたステンドグラス。カラフルな色どりがあるのはこの部分のみ。この五輪教会は元は船大工だった棟梁が他の教会を見学して見よう見まねで作ったことも最近になってわかった。それにしても教会として立派な仕上がりになっていると感じる。

教会の中にはいくつかの絵が掲げられていた。

窓から外を眺めるとすぐに海。窓から入ってくる海風が心地よかった。チャーター船はこの教会の前に船をつけてくれる。

特に後ろから旧五輪教会を見るとその内部が教会になっていることは想像すらできない造りになっている。入り口部分だけではなくこの後ろからの姿もぜひ見ておきたいポイントだ。