映画「男はつらいよ」で寅さんは日本中を旅するが、その中で五島列島にもたびたび訪れている。その最初が福江島だ。寅さんが訪ねた福江島の教会を紹介しよう。
寅さんは福江港から玉之浦港にやってきた
福江島がロケ地となったのは、「男はつらいよ」の第六作になる純情編。冒頭で長崎港の大波止で絹代(宮本信子)で知り合い、訳ありの絹代と一緒に福江島に渡ってくる。撮影時期は昭和45年(1970)。そのころの福江港の様子が映画では見ることができる。福江港では牛が荷揚げされているシーンが背景に映りこんでいる。
そして、福江港からさらに船に乗り降り立ったのは玉之浦港。絹代の実家が玉之浦でそこに寅さんが付き添ってきたという設定だ。
現在の玉之浦港の様子。映画では、絹代の実家が営む旅館へ行く。絹代は父(森繁久彌)ともめる間、寅さんは気を利かせて散歩にと外にでる。
そこで寅さんが出かけた先が玉之浦教会だ。
教会をのぞいているうちに門柱に手をかけて誤って門を開けてしまう。そこに神父さんが現れ罰が悪そうに寅さんは去っていく。
映画では教会の内側から外にいる寅さんを映しているアングルになっている。教会のあとは、寅さんは港を眺めてから旅館に戻るというシーンになっている。
この映画では若い頃の宮本信子とこの当時ですでに大御所である森繁久彌の掛け合いが見どころだ。
そして昭和40年代の福江島の様子が垣間見れる貴重なシーンがある映画だ。いまの福江島の風景と比べながら見るのも楽しい。ぜひ「男はつらいよ・純情編」で見てほしい。