五島列島の福江島にさざなみの化石があるという。その名はれんこんと言うらしい。名前もさることながらさざなみってそもそも化石になるものなのか、そんな疑問を抱きつつも現物を見に行ってみた。
れんこんとは「漣痕」と書く
福江島にれんこんがあると聞いた。れんこんと言われて思いつくのは野菜の蓮根だ。蓮根のどこが珍しいのかと思っていると野菜ではなく化石だという。さらに混乱してきたがとりあえず化石のある現場に向かってみることにした。
化石があるのというは、福江島三井楽町にある通り沿い。正直ここに化石があると教えてもらわないと通り過ぎてしまいそうな場所。
れんこんというのは、看板にあるように「漣痕」と書く。「漣痕」、つまりはさざなみのあとということらしい。これは説明されないと知り得ないことだった。
そして「漣痕」についての説明書きがあった。これによると砂浜に残ったさざなみの跡が化石になったものらしい。そもそも砂浜の跡が化石になること自体初めて知った。
これが「漣痕」の化石だ。一部分壁が割れている内側が化石がある部分。5000万年前の砂浜の状態が現在残っている。そう考えると化石の持つ壮大な時間の凝縮さが思考の範囲を超えてしまう。
右側に見える段々になっている部分がさざなみの波紋のだそうだ。この化石は発見されたそのまま状態になっている。五島列島ジオパーク構想が認定されたときにはこの化石もさらに脚光を浴びるようになるかもしれない。