世界遺産も作った教会建築のパイオニア 鉄川与助の五島列島にある教会

五島列島にある教会群のうち代表的な教会の建築に携わったのが鉄川与助だ。鉄川与助は教会建築のパイオニアとも称された人物。世界遺産に登録された五島列島にある4教会のうち3教会は鉄川与助による建築だ。五島列島に現存する鉄川与助が建てた教会を紹介しよう。

スポンサーリンク

鉄川与助のプロフィール

鉄川与助は、1879年(明治12年)長崎県南松浦郡魚目村(現在の新上五島町)の出身。父親が大工の棟梁で与助も高等小学校を卒業後に大工の道に進む。20歳のときに福江島にいた野原棟梁のもとで教会建築に携わったことを機に教会の建築に傾倒していくことになる。またこの時期にペリュー神父から教会独特のリブ・ボールド天井の基礎も学ぶ。

28歳のときに鉄川組を引き継ぎ、翌年の中通島の冷水教会の建築を手がける。以降、五島列島、九州各地のカトリック教会の建築に携わるようになる。

※鉄川与助が一番最初に手が掛けた冷水教会の所在地はこちら。

旧野首教会 世界遺産

1908年(明治41年)に建てた世界遺産に登録された旧野首教会。鉄川与助の初期の煉瓦作りの聖堂。野崎島からの人口流失が続き、1971年までに島民全員が離村し教会も閉鎖された。その後、教会の保存運動が起こり修復されて現在に至っている。

江上教会 世界遺産

奈留島にある江上教会。1918年(大正7年)に現在地に建てられた。クリーム色の外壁に水色の窓枠のコントラストが美しい。世界遺産に登録されている。

頭ヶ島教会 世界遺産

江上教会が建てられた翌年の1919年に建てられたのが上五島の頭ヶ島教会。資金不足などもあり建築に着手してから完成まで10年かかった。砂岩を積んで建てられた教会は重厚感を感じる。内部は船底をひっくり返したような打折天井になっている。またツバキの花をモチーフにした文様の装飾が可愛らしい。

堂崎教会

福江島にある堂崎教会。ペリュー神父の指導で建築され鉄川与助は修行中として携わっている。1908年(明治41年)に完成。1917年には鉄川与助が棟梁となり教会の大改修が行われている。現在は、潜伏キリシタン教会の資料館としても開館している。入館料が必要。

青砂ヶ浦教会

青砂ヶ浦教会は、上五島にある。1910年(明治43年)に完成。内部は本格的なリブ・ボールド天井になっている。天井が高くステンドグラスの美しさも印象的。また外壁はイギリス積み製法の煉瓦が重厚感を感じさせてくれる。

楠原教会

福江島にある楠原教会。1912年(明治45年)に3年かけて建てられた。煉瓦作りのゴシック様式の風貌。内部はリブ・ボールド天井になっている。聖堂の前に植えられているヤシの木が印象的。

大曾教会

上五島のある大曾教会。1916年(大正5年)に建てられた。教会正面の一番高い部分に八角ドームが正面に設けられていて、これの手法は後に建てられた頭ヶ島教会などにも用いられる。内部は高さのあるリブ・ボールド天井。正面建てられているキリスト像が印象的だ。

半泊教会

福江島にある半泊教会。1922年(大正12年)に建てられる。小規模な教会だが、アイルランドからの寄付などもあり建てられ、祭壇にはケルト民族のケルト十字が置かれている。2014年には駐日アイルランド大使も訪れ、アイルランドと縁が深い教会。

水ノ浦教会

1938年(昭和13年)に建てられる。鉄川与助が手掛けたリブ・ボールド天井を持つ最後の教会建築となる。白い外壁の教会の美しさは群を抜く。映画のロケ地などにも多く使われる教会。

スポンサーリンク