五島列島はかつては捕鯨が盛んに行われていた。現在では五島の近海では鯨が獲れないこともあり、長らく捕鯨は行われていない。しかし、かつての捕鯨基地の跡地はいまでも残っている。ここでは福江島に残る捕鯨後に解体をしていた跡地を探してみた。
カグラサン跡地
福江島の捕鯨解体跡地は、カグラサンと呼ばれている。これは解体しているときの使用人の動きが神楽を踊っているときのような仕草から「神楽さん」などという呼び名からついた名称とも言われている。
福江島でカグラサン跡地として明確に残っているのは三井楽柏崎にある跡地のみ。跡地には石が積まれている。当時はここに鯨を引き上げるろくろがあったという。そのろくろで鯨の皮をはがすなどの作業をしたそうだ。
現在は海岸沿いより少し奥に入ったところにあるが、埋め立てなどされていることを考慮すると当時はこの辺りが海岸だったのだろう。
この地にはカグラサン跡の説明板が立てられている。
荒川カグラサン跡
その他に福江島に捕鯨解体跡地と言われる場所を訪ねてみた。まずは荒川の跡地。
湾曲した海岸は鯨を横たわらせるのに十分なスペースがある。当時と同じ状況ではないはずだが、雰囲気は十分に残っている。
小浦カグラサン跡
小浦にある捕鯨跡地。古い石積みが残っている場所。
ここにも広いスペースがあり浅瀬の海岸から引き込んだ鯨の解体作業がしやすそうに見える場所。
富江カグラサン跡
富江の跡地はすでに岸壁ができていて当時の雰囲気はあまりわからない。
海側から見ると少し古めの石積みが覗いていた。