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日本遺産 五島列島宇久島にある戦争遺跡 旧佐世保海軍警備隊宇久島特設見張所跡

宇久島

五島列島にある戦争遺跡はあまり多くはない。その中でもはっきりとわかる形で残っている場所が宇久島にある。五島列島の貴重な遺跡を訪ねてみた。

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城ヶ岳に山頂にある電波探知見張所跡

宇久島の中央にそびえる山が城ヶ岳だ。山頂は現在は展望台にもなっていて宇久島を一望できる観光スポットだ。この山頂に日中戦争時、中国大陸からの敵機を探知するための見張り所が設営された。

この山が城ヶ岳。宇久島の中央にあるので島の至る所から目にすることができる。標高は258メートル。

城ヶ岳の登り口までは車で行くことができる。この登り口から少し上がれば山頂に行ける。

展望台に上るとこのような風景が広がる。戦争遺跡ということを知らなければ、単なる緑が広がる展望広場という見方になるだろう。

ここで目に入るのがこの立て看板。佐世保市にある日本遺産になっている跡地に建てられているものと同じものだ。つまりこの遺跡は鎮守府の日本遺産の構成資産のひとつとしてこの地が認定されているということである。

この解説によれば日中戦争時に敵機を探知するための電探施設が設営された。五島列島では、福江島の大瀬崎とこの宇久島の城ヶ岳に設営されたとある。さらに男女群島の女島にも同様の見張所が設営され西から飛来してくる敵機の探知をしていた。

もうひとつこの地を解説した看板がある。こちらは地元高校生が作ったものらしい。当時に設置された施設の見取り図が詳しく書かれている。これを元に現在残る遺跡を見ていこう。

展望台の一番奥に現在は展望所があるが地図によればここに戦時は監視所が建てられていた。

中央に残るコンクリート跡については記述がないが、電探施設があったものとみられる。ワイヤロープの留め石なども残っていて当時重要箇所だったのだろう。

そしてここが高射砲があった掩体の跡地。掩体は敵からの弾を避けられるように石を積み上げて作られている。これ見事に円形のまま残っていた。周りに雑草が生えたままになっているのでわかりにくいが、ここまできれいに残っている掩体は多くはない。雑草が覆い繁っていて確認はできなかったが、他にも二か所の掩体がこの場所には遺っている。できれば周辺整備をしてこの先も保存していってほしいと願う。

掩体の入り口から高射砲が向いていたと思われる方角にレンズを向けてみた。ちょうどこれくらいの方向のはるか上空をB-29などが飛行していたのかもしれない。第二次大戦末期に来襲した敵機をことごとく探知としたと日本遺産の立て看板に記されていた。探知だけできてもその後の手立てはなかったわけだが・・・。戦争遺跡は歴史を肌で感じ取ることができる貴重な史跡だ。これからもこの地を保存して後世に伝えていってくれることを期待したい。